老化防止、美容効果、冷え性改善など、様々な健康に良い効能があることで知られているスパイス、シナモン。
いいことづくめのようですが、一方で摂り方を間違えると健康被害をもたらすとも言われています。
シナモンを普段の生活に取り入れたいけど、どのくらいの量が適量なのでしょうか。
健康にいいからと食べ過ぎにならないように、確認しておきましょう。
シナモンの健康被害ってどんなこと?
シナモンには、「クマリン」という香り成分が含まれています。
このクマリンに、様々な有効な効能があると言われています。
抗菌作用、血流を良くする作用、集中力・記憶力アップなどです。冷え性にも効くと、注目を集めています。
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しかし、適度にこの成分を摂取している分には良いことがたくさんあるのですが、食べ過ぎてしまうと肝機能障害を起こすという危険が示唆されています。
デンマークの伝統食、シナモンロールが規制を受けて消滅する危機に瀕したほどです。
しかし結局、長期的に継続して多量に摂らなければ大丈夫ということで、シナモンロール1キロあたり50ミリグラムまでクマリンが含まれていても良いという規制ができて決着しました。
では、その分量とは、いったいどれくらいまで大丈夫なのでしょうか。
それを知るには、シナモンの種類と、種類によるクマリンの含有量の違いも知っておかないといけません。
シナモンにはセイロンとカシアという種類が。違いは?
シナモンと言えば話題にのぼるのが、この「セイロンシナモン」という種類と「カシア」という種類の違いです。
それぞれに特徴があり、シナモンがもつ有害な物質「クマリン」の含有量も違ってきます。
シナモンスティック。と聞いて想像するのが、「セイロンシナモン」です。
主にスリランカ産で、「シナモン・ピーラー」と呼ばれる専門の家系の職人さんが、シナモンの幹を限りなく薄く削って作ります。
シナモンスティックを作る工程は、非常に手間がかかり繊細な作業であるため、高値で取引されます。
そのため、最上級のシナモンとして「トゥルー・シナモン」とも呼ばれているのだとか。
一方、安く大量に手に入る「カシア」は、セイロンシナモンと比較され偽物扱いされてしまいがちですが、こちらも立派なシナモンです。
セイロンシナモンは外側の皮は使用していませんが、カシアは外皮も一緒に乾燥させて利用するため、より甘い香りが強くワイルドな香りが特徴です。
用途を選ばず汎用性が高いのはカシアの方です。
しかし、この芳香の成分のひとつにクマリンが含まれているため、当然香りの強い方がクマリンの含有量が多いのです。
日本で一般的に手に入るシナモンパウダーといえば、ほとんどがこちらのカシアです。
シナモンって、けっこういろいろな食べ物に入っているんですよね。
いやいや、シナモンの香りが嫌いなんで食べないです。という人でも、実はカレー粉などと一緒に摂っているんですよ。
アップルパイやジンジャーエール、サングリア、八ッ橋などいろいろなお菓子、飲み物にも入っていますね。
普段の食生活でシナモンの摂取量は、大丈夫なのでしょうか。
シナモンの食べ過ぎってどれくらい?適量は?
どんな料理やお菓子にも不思議となじんでしまうので、気軽に振りかけて使えるシナモンパウダー。
数あるハーブやスパイスの中で、取り入れやすさ抜群です。
ただ、気になるのがシナモンの食べ過ぎ。
多量に継続的に摂取すると、シナモンは副作用として肝機能障害が起こる恐れがあるというのは、既に説明しました。
じゃあ、具体的に1日に摂ったらいいシナモンの量とはどれくらいなのでしょうか。
東京都福祉保健局のHPによると、体重50キロの人が一日に摂取しても健康に影響がないとする数値は、セイロンシナモンで 364.6グラム、カシアで1.5グラムとのこと。
シナモンパウダーに使われているカシアでも、普通に料理やお菓子に使う程度だと1.5グラム以上摂取することは考えにくいです。
スーパーなどで売っている小さいスパイスのビンが10~12g入りくらいですからね。
あれをひと瓶お菓子の生地に練り込むというのもなかなか考えにくいです。
シナモンが主役のシナモンロールでさえ、6個分の生地に1グラム程度の割合です。
シナモンロール6個を一度に一人が食べるならまた話は変わってくるかもしれませんが、シナモンの入ったものを食べ過ぎたと感じた時は、1週間くらい控えるとか、 1日許容量以上を毎日摂らないように工夫しましょう。
一方セイロンシナモンは、シナモンスティックの形状をしていることが多く、飲み物に香りづけするような用途で使われ、そのまま摂取することも少ないので、こちらはまず大丈夫そうです。
心配なのは、シナモンをサプリメントで摂る場合です。
商品に記載されている用量を守っていれば大丈夫とのことなので、効果を高めようと思ってたくさん飲みすぎたりしないようにしてください。
何にでも、身体に悪い分量というのは存在します。
お医者さんにもらう薬だって、きちんと用法・用量を守って飲むから病気に効くのであって、多くとりすぎれば当然毒になります。
普段食べているもの飲んでいるもの、何ならただの水だって、取りすぎれば毒になるのです。
なので、シナモンだけに神経質になるのではなく、身体に無害と言われる食べ物でもなんでも過剰に取り過ぎないようにすることが大切です。
シナモンの摂取量と毒性まとめ
シナモンに限らず、なんでも摂りすぎれば身体によくない作用もある…ということは、覚えておいた方が良いと思います。
それさえわかっておけば、シナモンを始めたくさんのハーブやスパイスが、身体に嬉しい効能をたくさん持っています。
お料理や飲み物も、美味しくしてくれますしね。
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一部の毒性に過剰に反応して、摂らない方がもったいないというものです。
適量を知って、上手に取り入れていってください♪
シナモンについて使い方などもっと詳しく知りたい場合はこちら!