エアプランツを元気に育てたい。
そのためには、やはり生育環境を整えるのが重要です。
エアプランツの特徴を知って、正しく水やりしたいですね。
エアプランツに適した環境と水やりについて
エアプランツは、葉っぱの表面に水を取り込むための「トリコーム」という器官がたくさんついています。
このトリコームがたくさんあって白っぽく見える品種が「銀葉種」と呼ばれ、乾燥に強い傾向があります。
逆に、トリコームがまばらで葉っぱが緑色のものは「緑葉種」と呼ばれ乾燥に弱く強い日差しが苦手で、水を好む傾向があります。
エアプランツは、この「トリコーム」という器官で水分を摂取しますが、空気中の湿気を直接取り込んでいるわけではありません。
自生地では、寒暖差などで葉っぱについた夜露、雨や霧などで水分を取り込んでいるため、葉っぱを濡らしてあげる必要があるのです。
もちろん、たっぷり濡れた後ではしっかり乾かしてあげることが重要です。
風通しの良いところで遅くとも12時間以内には乾燥させないと、葉っぱが呼吸できず腐ってしまうことになります。
エアコンの風は乾燥しすぎるため直接あてないように気を付けます。
以上のことを考えると、エアプランツの生育に適した環境とはズバリ、「屋外」でしょう。
屋外ならば、梅雨時期を除いて自然の夜露や雨水でも充分育ち、自然の風で乾燥もします。
梅雨時期の長雨や直射日光、凍るほどの冷害を避ける工夫をすれば、屋外管理がもっともエアプランツが生き生きする環境と言えます。
とはいえ、都会や一人暮らしではそんなことも言ってられずどうしても室内に置きたい場合もあります。
その場合は、日当たり・風通し・水遣りに充分注意を払ってください。
エアプランツへ水遣りの時間や頻度
では、実際の水遣りのタイミングはどうすれば良いのでしょうか。
水をあげる時間は、昼間はできるだけ避け夕方以降にすることです。
エアプランツが昼間に気孔を閉じ夜に気孔を開く性質であることや、水やりのあと日中の強い日差しに当ててしまうと、水が高温になり煮えてしまう可能性があるからです。
どうしても昼までなければ水をあげられない時は、水やり後に直射日光にあてないように気を付けましょう。
水やりの回数は、春と秋の成長期は週に2、3回霧吹きやじょうろなどでずぶ濡れになるくらいかけてあげましょう。
乾燥の強い室内では、毎日あげても。ただし、必ず適度な光と風通しが必要です。
風通しを良くしなければ株もとに水が溜まり、腐ってしまいます。
サーキュレーターなどで空気をまわしたり、窓を開けてあげて下さい。
エアプランツ栽培で良く聞くソーキングってした方が良いの?
エアプランツを育てようと思ったら、「ソーキング」という言葉を一度は聞くと思います。
ソーキングとは、6時間~12時間を超えない範囲でエアプランツを一晩中水に浸しておき、強制的に水を吸わせることです。
説明書によっては、月1回、2週間に1回など、ソーキングを推奨しているものがありますが、そもそも自生地でエアプランツが頭から根っこまで水に浸かるなんてことがあるんでしょうか?
それはなかなか考えにくい状態であり、不自然と言えそうです。
よーくエアプランツの栽培図鑑や入門書を読むと、ソーキングは「うっかり株全体をしおれさせてしまった時」「販売されている時に乾燥で弱ってしまい、通常の水遣りでは回復しない時」などの、よほど株が弱っている時にすると書いてあります。
つまり、ソーキングというのは人間にとっての手術のような緊急性を要するものだと思った方が良いです。
人間にとって手術とは、身体の一部を切ったり縫ったりするわけで、ダメージもありますし、日常のケアとはまったく違います。
でも、それをしなければもう回復しないから、必要に迫られてやるわけですよね。
エアプランツにとってのソーキングも、同じようなものです。
頭から根っこまでどぼんと長時間水に浸けられるのは、自然な状態ではあり得ず、植物にとって苦しい状態ということは想像に難くありません。
私の持っている図鑑にもはっきり「日々の栽培が上手くいっていればソーキングは必要ない」と書いてあります。
株が弱っていて通常の水遣りでは回復しない時も、まずは一回だけしてみて様子を見ます。
何度も連続で行うのは逆効果ですよ。
そんな劇薬のようなソーキングですから、当然生育期以外の冬場にすることは避けましょう。
かくいう私も、冬場にソーキングして大切なキセログラフィカを枯らしてしまった苦い思い出があります…。
まとめ
以上が、エアプランツを枯らしてしまう原因になることの多い「水やり」についてのまとめでした。
エアプランツも植物ですから、本来は屋外でのびのびと管理してあげるのが元気に育つ秘訣ではあります。
しかし、室内でもきちんと環境を整えてあげれば育ちますので、大切に育てていきたいですね。
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