ダイエットをしても成功しない、または一時的に成功してもリバウンドしてさらにひどくなってしまう…。
それは自分自身の意思が弱いからだと
自分がだらしないからだと
ダメ人間だからなんだと
自分を責めてしまっていませんか?
そのことで、自分を嫌いになったりしていませんか?
実は、ダイエットに成功しなかったりリバウンドしてしまうのは、必ずしもあなたのせいではありませんでした。
ダイエットが続かない事やリバウンドはあなたのせいではない?
人間に限らず動物は、近くにいる仲間と同じ行動を取ろうとします。
寝姿が全く同じ形になっている二匹の猫。
みんな同じ方向を向いているキリンの群れ。
一斉に同じ方向へ向かって走り出す羊たち、など。
何故同じ行動を取ってしまうかというと、太古の時代から進化していく過程でその方が生存確率が高かったため、そういう習性を身につけていったと考えられます。
人間も実は同じで、あくびがうつったり、目の前にいる相手と同じタイミングで水を飲んだり、友達と一緒に入ったお化け屋敷で誰かが叫んで走り出すと、まだ怖いものを見ていない一番後ろの人まで同じように叫んで同じ方向へ逃げようとする、などの経験をしたことは誰しもあると思います。
心理学でもミラーリングと呼ばれたり、カメレオン効果と言われたり、脳科学ではミラーニューロンなんていう言葉が使われている、共感する能力が備わっています。
私たちは無意識に、周りにいる人たちの真似をするようにできているんです。
なので、極端に言えば毎日太った人を見るだけでも太っていくし、
たとえ痩せていても自堕落な生活を送っている人を見れば自堕落がうつって太る原因を増やしたり、
たくさん食べる人を見ていればお腹が空いていなくても食べたくなってしまうことがあると言えます。
ですので、自分が無意識に影響を受けてしまうものを意識的に選択して、良い影響を受けるものとより多くの時間を過ごすことが大切です。
また、人は変化を嫌います。
例えば、自給自足で生きていくために穀物を育てていたとします。
うまく育てられた方法を繰り返し、繰り返し、毎年同じように肥料や水を与えて穀物を育て、おかげで毎年食料に困ることなく生活できます。
しかし、たまには違う方法も試してみようと思い立ち、違う肥料や水遣りの仕方を試したとたん、穀物が全てダメになり、収穫ゼロになってしまったら、みんな飢え死にしてしまいます。
長いこと、変化をさせないことが生き延びる方法であったと言えます。
もちろん、変化しなければ生活はより良くもなっていきませんが、現実として人間は変化を好まないように今なっている、ということです。
ですので、人は周りにいる人や環境が変化しようとすると、無意識にもとに戻そうとします。
いつも一緒にいる、ぽっちゃりした友達が急に痩せて魅力的になっていったら、自分の安定が崩されると思い、咄嗟にもとに戻そうとしてしまうのです。
しかも、無意識に。
相手に悪気はありません。むしろ、あなたのためを思っていると信じています。
食べるのを制限するあなたに、もっと食べなよと言ってきたり、
飲み会やバイキングに誘ってきたリ、
いろんなおいしいものを勧めてくるかもしれません。
私もダイエットを始めた時、いつもは出された夕食だけで満足し、食べたいなんて言わない主人が急に晩御飯のあと、「甘いおやつ食べたい、なんかないの?」と言ってきてびっくりしたことがあります。
そして、それに乗ってしまうと最後、歯止めがきかなくなってリバウンド…ということもあり得ます。
そうならないためには、今までの人間関係と少し距離を置かなければならない時もあるかもしれないということです。
じゃあ、周りの人が悪かったのか!というと、必ずしもそうではありません。
何より相手を責めても仕方がありません。
人によって環境を選べないこともあるでしょうし、あなたをもとに戻そうとしている人は本能で自分の安全を守るために無意識にやっているので、責めても意味がありません。
あなた自身も、周りの誰かが変わろうとしている時に無意識で引き戻そうとする行動を取っているのですから。
では、ダイエットには周りに流されない強固な意志の力が必要なのでしょうか。
ダイエットに決意は必要ない。継続に効果的な方法とは
多くの人が、ダイエットを始める時に
「よし! 痩せるぞ!」
「絶対に痩せて〇〇㎏になる!」
「毎日ランニングを続ける!」
などなど、みなぎるやる気とともに大きな「決心」をしてから取り組みます。
しかし実際に始めてみると、最初のやる気はどんどん下がって、毎日やろうと決めた行動はいろんな言い訳をつけながらいつの間にかやらなくなってしまいます。
そして、行動を続けられなかった自分がダメな人間だと思い込んだり、お菓子を我慢できなかった自分を意志が弱いと責めてしまったりするのです。
しかし、それはあなただけではありません。
むしろ、ほとんどの人が「自分の決めたことを1か月も継続できない人」であると思った方が良いです。
今まで安定していた生活を、ほんの1パーセントでも変化させようとすると、とてつもなく大きなエネルギーが必要になります。
それを、自分の「意志」や「我慢」、「決意」など精神的な部分だけで乗り切ろうとするのは一番ダメなやり方です。
精神状態は毎日一定ではありません。
仕事でミスをしたり、誰かと喧嘩したりして落ち込んでいる日もあれば、
物理的に忙しくて肉体が疲れてやる気が出ない時
寒いから縮こまって部屋で大人しくしていたい時
雨が降っているからなんとなく元気が出ない日
などなど、身体を動かすのが億劫になる精神状態の日は必ずあります。
そんな時でも、落ち込みを振り切って行動できる人はほんのわずかです。
ほとんどの人は、「疲れてるから今日はやめて明日にしよう…」
「暖かくなってから始めよう」「雨の日は別のことをしよう」
などと言い訳して、もっと悪い場合はそのたった一度の後回しがきっかけでやらなくなってしまいます。
では、どうすればダイエットするために決めたことを継続できると言うのでしょうか。
それは、物理的にやらなければならない環境に自分を置くこと、です。
ダイエット成功に一番重要なのはモチベーションでも方法論でもなく、「環境」なのです。
例えば…
一緒に歩くのが恥ずかしくなるようなスタイルの良い人と遊ぶ回数を増やす。
(=太っている人とはいったん距離を置く)
・友達と一緒にマラソン大会に申し込んでお金も払ってしまう。
・友達と一緒に温泉へ行く計画を立て、お金も払ってしまう。
・ジムに申し込んでお金も払ってしまう。
・魅力的な食べ物が目につくような道を通るのはやめる。
・定期券は最寄りの駅からではなく二駅先からのものを購入してしまう。
・家にお菓子は置かない。すぐ手の届く場所に置かない。
・お金を持ち歩かず買い食い防止。
・服を買う時はジャストサイズより少し小さめにする。
などなど…他にも考え出すとたくさん出てくると思います。
これらをたくさん組み合わせて、いかに誘惑の少ない、目につかない環境で生活できるかがダイエット目標達成のカギとなってくるのです。
これは前章で書いた、見たものを無意識に真似してしまうから、良い影響を受けるものを見られる環境を整えるということにもつながってきます。
まとめ
ダイエットに成功しなかったりリバウンドしてしまうのは、あなたのせいではないとわかっていただけましたでしょうか。
それでも、最終的に選択するのは自分自身です。
太らない環境、痩せる行動を取るのを決めることは、自分でできます。
環境のせいにして終わり、ではなく、痩せにくい環境にいたことを自覚してそれらを遠ざけ、痩せやすい環境を整えていって、ぜひ理想の体になってください♪